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Posted by みやchan運営事務局 at

2009年05月05日

本よみの独り言①

最近読んで面白かった本です。



左近司祥子 著
哲学するネコ 文学部哲学科教授と25匹のネコの物語
1998年5月1日初版

筆者の左近司さんは学習院大学の教授です。
今年の春に退職されました。
娘さんが3人いて、お助けレイディー1号2号3号と呼ばれています。
ほとんどのネコはこのお助けレイディーによって、お母さんである
左近司さんの元に届けられます。
その数25匹! 家の中に25匹のネコ達が!?
(現在はもっと増えているのでは・・・)
しかも、性格の合わない子もいるので、臨機応変に部屋が別けられます。
ネーミングも面白く、「最高ネコカルテット」は最高裁の庭が出生地。
「当たり屋パフ」は1号の運転する車に当たって家に来たから等、笑える。

タイトルからも分かるとおり、文中に名だたる哲学者のエピソードが放り込まれていますが、
作者が言いたいのは「ネコこそ本当の哲学者」て事みたいです。
難しいことはさっぱり分かりませんが、ネコエピソードはネコ好き、ネコ飼いには
うんうんとうなずく事ばかりです。

その中で印象的な一文があります。
1号さんは保護したネコを他家に嫁がせるのを極端に嫌うそうです。
「ネコを救えるのは、自分だけという思い上がりと傲慢さのせいだ」と書いています。

その後の一文
「この思い上がりは、もしかするとあらゆるボランティア活動について回るものかもしれない。
 だいたい、そういう活動をしようという人は、ただ親切な人であってはならない。
 親切心だけでは長続きしない。意志の人でなくてはならないのだ。すべての点で。」

確かに・・私が今まで関わった方たちは全て「親切」な「意志の人」でした。
ただの親切な人では、このような活動は出来ないと思います。

「でも、活動は複数で行われる。複数者が同じ方法で、同じ方向を目指しているときは、
 この集団、最強の集団である。
 でも、一歩ずれるととんでもないことになる。
 みんな、自分のやり方こそが一番という強い信念の持ち主だからである。」

と続き、でも何も口出しせず黙ってお任せしておくのが意志の弱い自分ができるせめてものこと
と娘さんの行動を認め、理解されています。

・・・しかし、意志の弱い人が25匹ものネコ達を別け隔てなくお世話できるでしょうか。

いずれにしても、このような活動を続ける方たちには足を向けては寝られないのです。
畏敬の念を抱きます。

こんなにたくさんのネコ達の話を読んでいると、野良だろうがなんだろうが
心配ないさ~♪と前向きになるから不思議です。

ちょっと取っ付き難いかもしれませんが、機会がありましたらお読み下さい。

長くてすみません    いち号  


Posted by いち号に号 at 17:28Comments(2)